ヨモツ雑記帳

雑記帳。感想とかをぼろぼろ書いてるノート。

【デュエマ】2024/1/4開催 第3回リモート栄冠杯決勝 ともVSみかわや

※こちらは身内Discordサーバーで行われたデュエマ大会の決勝戦テキストカバレージです。
 
「3ターン目にワールド・ブレイクしてそうな気配はある」
 1戦目、3戦目を数分で終わらせたとものデッキに対し、周囲の推察が飛ぶ。

 ともはかつて【火単ブランド】を握った経験もあり、速攻による決着はこれによるものか、あるいは……といったところ。
 対して長期の試合が多いことから、みかわやが擁するのはコントロールデッキと思われる。
 短期決着vsコントロール。栄冠鯖2024年最初の王者はどちらだ。
 
 初戦はダイスロールで始まる。2d6を制したのはともだ。

 

Game1 先攻:とも

 
《龍装鬼 オブザ08号/終焉の開闢》をチャージして出すのは、《DARK MATERIAL COMPLEX》! 

 ともが「竜皇神爆輝」発売後、相棒としてきたクリーチャーだ。【火単】のように最速3ターンで全てを粉砕する【水闇ロココ零龍COMPLEX】みかわやに牙を剥く。返すみかわやは《ドンドン火噴くナウ》をチャージして返す。
 続く2ターン目、ともに動きはなく《DARK MATERIAL COMPLEX》の下に《CRYMAX ジャオウガ》、3ターン目には《シラズ死鬼の封》が置かれるのみ。みかわやは《絶海の虎将 ティガウォック》を埋めて《天災 デドダム》を着地させる。

 ここでようやくみかわやのデッキが【オボロティガウォック】であることが判明する。多彩なカードを搭載し、デッキに応じた回答札や受け札を手札に引き込めるテクニカルなデッキだ。《天災 デドダム》で見たトップデックから《蒼き団長 ドギラゴン剣》をマナに置き、《絶海の虎将 ティガウォック》を墓地に落とす。
 
 4ターン目。《DARK MATERIAL COMPLEX》の下に《CRYMAX ジャオウガ》を置き、《龍装鬼 オブザ08号》を埋めてマナを捻る。ついに出たのは───《終末の時計 ザ・クロック》。《アクア鳥人 ロココ》ではないにせよ、《終末の時計 ザ・クロック》で攻撃しつつ《DARK MATERIAL COMPLEX》の下にカードを置き続ければいずれ起動条件が満たされ、《終末の時計 ザ・クロック》を除去すれば《DARK MATERIAL COMPLEX》のカウントが進む。どちらに転んでも勝利へと近づくことのできる盤面だ。
 みかわやは《月光電人オボロカゲロウ》をチャージして《ドンドン火噴くナウ》をプレイ。
 
みかわや「私の手札はなんと4枚もあります。カードをプレイしていないため」
 
 ……正しくは前のターンにデドダムをプレイしてはいるが、なお減らないリソースには目を見張る。5cとしての優位性を語りながら、《龍の極限 ドギラゴールデン》をマナに、《絶海の虎将 ティガウォック》を墓地に落とす。破壊するのはもちろん《DARK MATERIAL COMPLEX》。耐性によって破壊はできないが、《終末の時計 ザ・クロック》への除去は先述のようにカウントを進めてしまうため、こちらを取るしかない。
 5ターン目。ともは《DARK MATERIAL COMPLEX》の下に《ドアノッカ=ノアドッカ/「…開けるか?」》を置き、《DARK MATERIAL COMPLEX》をマナに埋めると《淡いと濃い ケローラ/♪やせガエル 負けるなケローラ スパイラル》の呪文側をプレイ。

 
とも「ホントにこれでいいか……?」
 
 手札に一度は加えつつも思考し、改めて必要なパーツを手札に引き込みつつ、《「…開けるか?」》で《天災 デドダム》を破壊、《淡いと濃い ケローラ》を《DARK MATERIAL COMPLEX》の下へ置く。
 
みかわや「手札が1枚? マナの被りは?」
とも「コンプレが2枚」
 
 デュエル・マスターズにおいて、マナゾーンにあるカードの被りを参照する際に予想されるカードはおよそひとつ。《天使と悪魔の墳墓》だ。

 メインとなる《月光電人オボロカゲロウ》や《絶海の虎将 ティガウォック》、《天災 デドダム》を除いてカード枚数が1種類につき1~2枚であることの多い【オボロティガウォック】において、専ら採用され得るランデス手段にして、盤面破壊手段。
 
みかわや「大した事ねえか……」
 
 マナの確認をした後、効力が薄いことを察したみかわやは《天使と悪魔の墳墓》をチャージ、《流星のガイアッシュ・カイザー》を召喚。手札をさらに整えつつ《DARK MATERIAL COMPLEX》下の《CRYMAX ジャオウガ》を牽制する。
 6ターン目。《DARK MATERIAL COMPLEX》の下に《夢幻なる零龍》が置かれる。
 
とも「この状況はねえ、厳しんだねえ」
 
《アクア鳥人 ロココ》をマナに埋めるとも。なかなかコンボパーツが揃わず、ここで《終末の時計 ザ・クロック》による1点を決行。トリガーはない。
 
みかわや「なるほど、そういうこともあるんですね」
 
 ターンを返されたみかわやは頷きながらカードを引き、思考する。
 
みかわや「腹くくるか! 1マナ、《とこしえの超人》」

《DARK MATERIAL COMPLEX》の効果は下のカードを墓地を経由して出す《超神星DOOM・ドラゲリオン》のような踏み倒し方だ。それ故にみかわやの出した《とこしえの超人》がメタカードとして機能する。
 さらに7マナを捻って出すのは《覚醒連結 XXDDZ》! 

 間髪入れず《覚醒連結 XXDDZ》の攻撃時に《時の法皇 ミラダンテXII》への革命チェンジを宣言。EXライフを消しながらチェンジすることで、呪文と《終末の時計 ザ・クロック》を制してT・ブレイク。トリガーはなく、さらに《流星のガイアッシュ・カイザー》でW・ブレイクを叩き込む。盾を消し飛ばしてターンを返すが、《覚醒連結 XXDDZ》が革命チェンジによって離れたことで《DARK MATERIAL COMPLEX》のカウントが進む。
 そして7ターン目。《DARK MATERIAL COMPLEX》の下に《夢幻なる零龍》が埋まり、《DARK MATERIAL COMPLEX》が起動する。
 
みかわや「バケモンアンタップ了解~……」
 
 みかわやから改めてメタ状況が説明されるのを聞き、ともは《DARK MATERIAL COMPLEX》をマナに埋めて少し考えた後、《飛翔龍 5000VT》を投げつけた。《時の法皇 ミラダンテXII》を飛び越えてやってくる飛翔龍が、今大会も盤面を荒らしていく。

 さらに《DARK MATERIAL COMPLEX》で《時の法皇 ミラダンテXII》を攻撃する時に下から《CRYMAX ジャオウガ》を出し、バトルによってクリーチャーが離れたことで《DARK MATERIAL COMPLEX》が起きる。《流星のガイアッシュ・カイザー》への攻撃時に《CRYMAX ジャオウガ》を出してそのまま《CRYMAX ジャオウガ》を返し《DARK MATERIAL COMPLEX》が起きる。
 丁寧な盤面処理の後、プレイヤーへの攻撃を開始する。《DARK MATERIAL COMPLEX》のT・ブレイクはトリガーなし。そのまま《CRYMAX ジャオウガ》がみかわやを襲うが、これを《一王二命三眼槍》で耐える。
 続く《終末の時計 ザ・クロック》の攻撃に《MMM-ジョーキング》を出すが、ブロックしたところでバトルに負けた《終末の時計 ザ・クロック》が場を離れ《DARK MATERIAL COMPLEX》が起きるため、みかわやはこれを通す。1戦目はともに軍配が上がった。
 
「俺らは俺らの道を行くだけ!」
「いや行けなかったが」
 
『革命』の歌詞を引用しながら、両者は二戦目の準備に進む。
 
とも 1-0 みかわや
 
──────────────────
 
みかわや「VTかぁ」
とも「VTやね」
みかわや「存外VTキツイんだよね。7コスト以下(ミラダンテⅫのファイナル革命)では縛ることができません」
とも「事前に細かく溜めてたのが活きた」
 
《DARK MATERIAL COMPLEX》の真骨頂。それは自身のみで自身の効果を起動できる点にある。1戦目では自身の効果で起動できたことにより、《とこしえの超人》を処理するための《飛翔龍 5000VT》の召喚マナを用意できた。《禁断〜封印されしX〜/伝説の禁断 ドキンダムX》や《禁断英雄 モモキングダムX》のような、歴代のカウントアップ型クリーチャーと一線を画す点はここにある。
 一体完結型による他カードへのシナジーを必要としない切り札性。自分や相手がメタクリーチャーを立てようものなら、その処理すらも《DARK MATERIAL COMPLEX》の起動を補助する歯車になりかねない。
 存在そのものがゲームの流れを寄せる重石となり得る。その流れをいかに崩すか、【オボロティガウォック】を握るみかわやのコントロール力が試される。
 

Game2 先攻:みかわや

 
とも「後手でーす」
みかわや「俺の先手でーす」
 
 2戦目は負け側の先攻から始まる。タイマーをスタートさせてお互いの手札を開ける。
 
みかわや「おぉ……」
とも「おぉ?」
 
 リアクションは異口同音。同じ言葉を漏らすがその真意やいかに。
 みかわやは《MMM-ジョーキング》を埋めてターンを返す。後手1ターン目、ともは《龍装鬼 オブザ08号》をマナに埋めて───
 
とも「COMPLEX」
 

 
 さも当然とばかりに厄災の象徴を盤面に用意した。勝戦、2連続の1ターン目《DARK MATERIAL COMPLEX》である。
 2ターン目。みかわやは《天災 デドダム》を埋めてここで火以外の4色をマナに揃えた。水単色か闇単色がチャージできれば次のターンには《天災 デドダム》を召喚できる。2連続1ターン目《DARK MATERIAL COMPLEX》ならばこちらは2連続3ターン《天災 デドダム》が可能だ。

 ともは《DARK MATERIAL COMPLEX》の下に《マジック・A・セミプーロ/♪閑かさや とにかくブレイン 蝉ミンミン》を置き、《終末の時計 ザ・クロック》を埋めると《♪閑かさや とにかくブレイン 蝉ミンミン》を唱える。コンボパーツを集めるカードに枠を割けるのも【水闇ロココ零龍COMPLEX】の強みだ。

 3枚引いた後、手札の不要なカード2枚───あるいは、この後《DARK MATERIAL COMPLEX》の下に置きたいであろうカードを仕込んでターンを返す。
 
みかわや「俺この次ターンエンド濃厚マジー?」
 
 マナに置きたいカードがないか、あるいは多色だらけの手札では動けないか。ドロー・ゴーの予感に不安な面持ちでマナを起こしながら、トップデックを確認するみかわや
 
みかわや「マジだ」
 
《S・S・S》を埋めて即座にターンを返す。2連続3ターン《天災 デドダム》はならず。だがこれでマナゾーンに全文明が揃った。
 一方ともは先ほど仕込んだトップデックから《禁断竜王 Vol-Val-8》を《DARK MATERIAL COMPLEX》の下に置き、《ドアノッカ=ノアドッカ》をマナに埋める。幸いここでの動きはないが、既に威圧感は抜群だ。
 みかわやも《月光電人オボロカゲロウ》を召喚して手札を整える。

 
みかわや「おーい全部残したいってこれ」
とも「ダメでーす」
みかわや「意外とダメか」
 
 5枚引いた後、手札を5枚ボトムに送る。どれだけ欲しいカードが見えても、元の手札を超える枚数は残しておけない。
 だがこの手札調整が、5cを潤滑に回すためのエンジンとなる。
 
みかわや「ループ止めるのには役立つけど(やろうとすれば)ループせずに突っ込んでくるんだよね」
 
《時の法皇 ミラダンテXII》のファイナル革命さえ打てれば、《アクア鳥人 ロココ》と《夢幻なる零龍》によるループは止めることができる。

 が、ここでもやはり「ループせずとも起動する」《DARK MATERIAL COMPLEX》の強みが光る。《時の法皇 ミラダンテXII》のロックを以てしても踏み倒し効果は止めることができない。

 
みかわや「あーやっと息継ぎできる」
 
 思考の後、5枚を戻してから1マナを捻って出すのは《月光電人オボロカゲロウ》の相棒、《絶海の虎将 ティガウォック》! 

 ターン初めのドローと《月光電人オボロカゲロウ》による5ドローで6軽減され、たった1マナで追加の3ドローをお見舞いするこのデッキの真骨頂だ。
 ともは《アクア鳥人 ロココ》を下に置き、《聖魔連結王ドルファディロム》をマナに埋めると《「…開けるか?」》で《月光電人オボロカゲロウ》を破壊してさらに《DARK MATERIAL COMPLEX》のカウントを進める。
 みかわやも潤沢な手札から《絶海の虎将 ティガウォック》をマナに埋め、《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》を召喚して質を高めていく。

 
みかわや「革命チェンジしたくねえんだよな別に」
とも「(COMPLEXに)当たってどうぞ!」
みかわや「ぶつかり稽古?」
 
《一王二命三眼槍》という敗北回避を手札に加え、ひとまずはターンを返す。たとえ握っていたとしても《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》と《蒼き団長 ドギラゴン剣》の革命チェンジ+バウンスのコンボでさらに山を掘り返せば、《DARK MATERIAL COMPLEX》がカウントを二つ進めてしまう。10ルック2ドローに対するリターンとしてはあまりに手痛い。
 これに対しとももアクションを起こす。《DARK MATERIAL COMPLEX》を下に置き、《DARK MATERIAL COMPLEX》をマナに埋めてから繰り出すのは《飛翔龍 5000VT》。《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》が手札に返され、次ターンの登場も許されなくなった。
 
みかわや「マナに被りのカードは?」
とも「ない」
 
 ターンをもらいながら、再び《天使と悪魔の墳墓》チェックが入るが、またも効力は薄そうだ。
 
みかわや「ナイティ?」
とも「ナイティです」
みかわや「さすがに次走ってくるかぁ」
 
《百族の長 プチョヘンザ》をマナに埋めながら覚悟を決めるみかわや。お望み通りとばかりにともがビッグアクションの構えを取った。
 《淡いと濃い ケローラ》を下に置き7枚。《終断γ ドルブロ/ボーンおどり・チャージャー》を埋めて《夢幻なる零龍》がノーコスト召喚、即座に破壊されると、厄災が8枚の供物と共に起き上がった。

《DARK MATERIAL COMPLEX》によるワールド・ブレイク、同時に《禁断竜王 Vol-Val-8》を踏み倒す。みかわやからの応答は《ドンドン火噴くナウ》のみ。《テック団の波壊Go!》をマナに、《若き大長老 アプル》を墓地に置き、《DARK MATERIAL COMPLEX》を対象に取る。《飛翔龍 5000VT》のダイレクトアタックは《絶海の虎将 ティガウォック》でブロックするが、破壊された《絶海の虎将 ティガウォック》をトリガーとして《DARK MATERIAL COMPLEX》が再び起きる。
 
みかわや「起きたあああああ!」
 
 悲鳴。次いで無情にも《DARK MATERIAL COMPLEX》の二撃目が迫る。
 
とも「サイゾウとかを考えるならVTか」
みかわや「嫌だな~」
 
 抱え込んだ受け札を予想し、《飛翔龍 5000VT》をさらに叩き付けてニンジャストライクの隙を無くすともみかわや《一王二命三眼槍》でこれを凌ぐ。さらに《禁断竜王 Vol-Val-8》でダメ押しに5ルック2ドローを挟んで攻撃すると───二枚目の《一王二命三眼槍》がこれも受ける! ともの場にこれ以上のアタッカーは存在せず奇跡的にターンが返ってくる。
《飛翔龍 5000VT》の効果を確認しながらターンを貰うみかわや。が。
 
みかわや「あっ」
 
 手札を確認して何かに気づいた。
 
みかわや「ガイアッシュ君が天に召されちゃった!」
 

 ターンの終了時に手札にあった《流星のガイアッシュ・カイザー》の宣言を忘れる致命的なミス。手札を1枚画面外へと追いやると。
 
みかわや「あーもう1プレミ発見! これも墓場か~」
 
 さらに何かのミスに気づきもう1枚も画面外へと追いやる。ワールド・ブレイクで潤沢に増えた手札の何割が消えたのかは定かではない。
 それでも生き延びたターンから勝機を掴まんと長考を挟んでから、6マナを捻る。
 
みかわや「《鬼ヶ王魔 エンド・ジャオウガ》!」
 

 鬼タイムによるコスト軽減、さらに鬼エンドによるエクストラターンの獲得。辛うじて命が繋がった。
《鬼ヶ王魔 エンド・ジャオウガ》によるT・ブレイク。トリガーはない。
 エクストラターンに突入してからみかわやが再びともに問う。
 
みかわや「クロックゲーミング?」
 
 ここまで迫り残る不安要素は、盾2枚に存在する受け札の可能性。
《終末の時計ザ・クロック》の所在を確かめると、マナに1枚、墓地に1枚。《DARK MATERIAL COMPLEX》の下にも置かれていない。
 
みかわや「もはやじゃあいるじゃん!」
 
 最強のS・トリガー獣の存在に怯えつつ、《飛翔龍 5000VT》の効力が切れたことで召喚される《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》。今探すべきはその《終末の時計 ザ・クロック》すら封殺する彼だ。そうしてトップデックを見てから。
 
みかわや「俺ファイナル革命したっけ」
 
 していない確認が取れると、《龍の極限 ドギラゴールデン》を手札に加える。

 《龍の極限 ドギラゴールデン》が持つ極限ファイナル革命は「ゲーム中一度もファイナル革命を使っていなければ」使う事のできる能力であり、今この場を打開できるもうひとつの手だからだ。パワー100万以下の攻撃を防ぐ効果に抗えるクリーチャーは極端に少なく、【水闇ロココ零龍COMPLEX】に採用され得るカードではない。
 公開領域のS・トリガーを教えてもらうと、革命0でスピードアタッカーとなった《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》で攻撃時に《時の法皇 ミラダンテXII》を革命チェンジ宣言!

《終末の時計 ザ・クロック》も《マジック・A・セミプーロ》も弾き残りの盾を吹き飛ばすと、そのまま《鬼ヶ王魔 エンド・ジャオウガ》の一撃がともを貫いた。厄災と変幻自在の決着は3戦目へともつれ込む。
 
とも 1-1 みかわや
 
──────────────────
 
とも「1戦目も2戦目もパーツが1枚足りないんだよね」
みかわや「コンボデッキってそうだよねえ」
 
 他のカードを必要としないコンボ性が《DARK MATERIAL COMPLEX》の強みではあるが、それが真に脅威となるのは《アクア鳥人 ロココ》とコスト0パワー0クリーチャーによる最速3ターンで起動するワンショット力にある。
 これまでの戦いのほとんどを「3ターンロココ零龍」で仕留めてきた高速・必殺性は未だ決勝の場では見せていない。現にマナチャージと《DARK MATERIAL COMPLEX》の下敷きを追えば分かる通り、《アクア鳥人 ロココ》を手札に持ちながら《夢幻なる零龍》が下に置かれ、また逆も然りと《DARK MATERIAL COMPLEX》の巡り以外は噛み合っていない。それでも1戦目を制し、2戦目を決着寸前まで追い込むパワーを持ち合わせるのが【水闇ロココ零龍COMPLEX】と、ともの持つ「引きの運」なのだろう。

 対する【オボロティガウォック】も多少の色事故・初動事故を起こしつつも《天災 デドダム》や《ドンドン火噴くナウ》などの強烈なリソースカードやオボロティガウォックのコンボを叩き付けて、抱え込む受け札と革命チェンジによるワンショットカードを収集できるパワーを持つ。たとえ最速でロココ零龍を決められたとしても、生半可なワンショットは《MMM-ジョーキング》や《一王二命三眼槍》が許さず、そのままターンを返そうものなら踏み倒しに反応した《流星のガイアッシュ・カイザー》が革命チェンジ元として飛来する。

 ついに厄災の蓋が夢幻の儀によって開けられるのか、あるいは時の法皇が厄災を止めるのか。入念なシャッフルの後、決着の3戦目が始まる。
 
みかわや「1億!」
 

Game3 先攻:とも

 
 みかわやの祈りは届かず、ダイスロールはともが勝ち、
 
「ドルブロチャージ、COMPLEX
 

 勝戦、全試合1ターン目《DARK MATERIAL COMPLEX》が決まった。恐らく読者の皆さんもそうだろうが、当時記録していた筆者も、棋譜を見て目に入ったこの現象には思わず笑うしかなかった。みかわやは《ドンドン火噴くナウ》を埋めてターンを返すしかない。
 2ターン目はお互い動かず《マジック・A・セミプーロ》が下に置かれるのみ、3ターン目にともは《CRYMAX ジャオウガ》を下に置くと《終焉の開闢》を唱える。回収するのは《淡いと濃い ケローラ/♪やせガエル 負けるなケローラ スパイラル》、さらなるコンボパーツを探しにかかった。返すみかわやは《月光電人オボロカゲロウ》をマナに埋めると《天災デドダム》を負けじと召喚し、《若き大長老 アプル》を墓地に置いて───《時の法皇 ミラダンテXII》をマナに埋めた。手札に加えたのは余程のカードだったか、あるいは受け札のいずれかか。
 4ターン目。《マジック・A・セミプーロ》を下に置き《終末の時計 ザ・クロック》をマナに埋めると先ほど回収した《♪やせガエル 負けるなケローラ スパイラル》を唱えてターンを渡す。
 
みかわや「VTってお互いの場だっけ」
とも「お互いの場だね」
みかわや「(次のターンには)出ちゃうねえ」
 

 とものマナは4枚、盤面には《DARK MATERIAL COMPLEX》と《天災 デドダム》。ここでクリーチャーを出せば、次ターンには5マナに到達し3コスト軽減で《飛翔龍 5000VT》が飛来する。《絶海の虎将 ティガウォック》に繋がる《月光電人オボロカゲロウ》も、《天災デドダム》も《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》も出ることを許されなくなってしまう。
 
みかわや「パーツ揃ってると思うとプレイが濁るねえ」
 
《百族の長 プチョヘンザ》をマナに埋めて長考。2体目の《天災 デドダム》で受け札かあるいは次ターンのワンショットを決めるべくチェンジ先を探す。《S・S・S》をマナに埋め、《MMM-ジョーキング》を墓地に置いた。
 5ターン目。《濃いと淡い ケローラ》が下に置かれ、手札の《禁断竜王 Vol-Val-8》をマナに埋めると、ついにその時が来た。
 
とも「《アクア鳥人 ロココ》召喚。《夢幻なる零龍》で」
 

 コスト0で召喚されたパワー0の《夢幻なる零龍》がルールで破壊され、《アクア鳥人 ロココ》の効果で手札に帰る、有限ループの始動。《DARK MATERIAL COMPLEX》の下に8枚置きつつ、好きなカードが埋まるまで同じ手順を繰り返す。《聖魔連結王 ドルファディロム》や《禁断竜王 Vol-Val-8》で相手を詰ませる切り札を探していくが。
 
とも「おっVT下入った」
 
 早々に《飛翔龍 5000VT》を下に敷くと、厄災がその身を起こした。

《DARK MATERIAL COMPLEX》の攻撃時に《CRYMAX ジャオウガ》を踏み倒すとブレイクする盾を3枚に減らす。自ら選んだ盾から《テック団の波壊Go!》が零れ落ち悲鳴をあげるみかわや。残った盾にS・トリガーの応答は、ない。
《CRYMAX ジャオウガ》の攻撃で《天災 デドダム》が破壊され、手札を2枚刈り取られる。辛うじてここでは受け札が見えなかったが、《DARK MATERIAL COMPLEX》が2撃目を構える。《CRYMAX ジャオウガ》の攻撃を《一王二命三眼槍》で受けると、《DARK MATERIAL COMPLEX》が《飛翔龍 5000VT》を呼び出し、もう1体の《天災 デドダム》が手札に返されるとともに厄災が三度その身を起こす!
 これに答える札はなく、みかわやは手札を晒して《DARK MATERIAL COMPLEX》の攻撃を受け入れる。
 
 2024年、栄冠杯最初の優勝称号は【水闇ロココ零龍COMPLEX】を操るともに授けられたのだった。
 
Champion:とも!!